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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第29章 涙の選択
「もちろんです。中殿さまが出てゆけとお命じにならない限り、私はいつまでもお仕えさせて頂きます」





 きっぱりとしたホンファの言葉が頼もしい。セリョンは微笑み、再び視線を水面に戻した。銀色の半月が紫紺の空を飾り、透き通る月明かりに照らされた池はどこまでも静謐だ。時折、夜風が水面を渡る度に、水面に映り込んだ月もゆらゆらと頼りなく揺れる。
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