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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第30章 哀しみの迷宮
 気が付けば、寝室の扉が細く開いている。間からホンファが顔を覗かせていた。セリョンが大丈夫だから寝むようにと勧めても、ホンファが夜、セリョンの寝室の前から離れたことはない。もちろん中宮殿にはベテランの筆頭尚宮もいるのだが、既に五十過ぎの尚宮が夜中に不寝番を務めることはない。
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