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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第30章 哀しみの迷宮
 セリョンは夜具の上に座ったまま、傍らを見やった。つい先頃、完成したばかりの刺繍が額に収まって片隅に飾られている。





 小さな枠の中には咲き誇る蓮の花と花に戯れるように飛ぶ蒼い蝶があった。セリョンは見るとはなしに蓮の花を見つめた。
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