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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第30章 哀しみの迷宮
 セリョンの貌を覆う手のひらにホンファの手が重なった。ホンファはやわらかくセリョンの手をセリョン自身の顔から放し、その手を両手で包み、優しく撫でた。




「どうかお泣きにならないで。中殿さまがそうまでお心が乱れるのは国王殿下の御事をお心から恋い慕っておられるからなのですから。そもそも好きでもない殿方に女が心乱されるはずはありません」
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