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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第30章 哀しみの迷宮
 セリョンはその悲鳴がどこか遠くから響いてくるような気がしていた。視界に映るのは、セリョンと同様、予期せぬ場所で思いも掛けない人に出会った愕きを露わにしている国王と彼の現在の想い人だけ。




 また烈しい雷鳴が静寂をつんざいた。雨脚はますます烈しくなる。風もいっそう強くなり、周囲の樹々の梢が唸りを上げる風に揺れていた。
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