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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第31章 切なくて
 セリョンが宮殿へと戻る小道に足を踏み入れたときである。



「待って」


 澄んだ声音が追いかけてきた。この声にはもちろん聞き憶えがある。



 振り向きたくない。でも、そんな大人げない真似はできないと判っている。セリョンはゆっくりと振り向いた。
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