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第31章 切なくて

　セリョンはくるりと向き直ると、自分から華嬪を抱きしめた。



「華嬪さま、私は今も華嬪さまを大好きよ」



　こんなにも一途で健気な少女を嫌いになれるはずがない。それはムミョンも同様だろう。彼がここのところ、華嬪を寵愛しているのも何となく判ったなどと言えば、ホンファはまた



―中殿さまはお人が好すぎます。



　と、怒るに違いない。