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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第32章 清浄華(しょうじょうか)
「どうぞ私を殺して下さいませ、殿下」





 この言葉がある意味、決定打であった。医官が貴人の生命を救えない場合の決まり文句でもあった。人ひとりの生命が今まさに危機に瀕しているというのに、このようなまどろっこしいやり取りを形式的にしなければならないとは、王室とは何と厄介なものなのか。
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