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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第32章 清浄華(しょうじょうか)

せめて最期は愛する男の幸せを願いながら、この国の人間として逝きたい。今となっては、華嬪にはその想いしかなかった。
王妃とはこの国に来た当初は、色々と衝突があった。とはいっても、専ら子ども過ぎた我が身が徒に王妃に対して反発していたに過ぎなかった。王妃はいつも泰然と微笑んで受け流していたのに、ある日、華嬪が超えてはならない一線を越えて―彼女が妓房で生まれ育ったことについて侮辱したために、王妃が初めて華嬪を真っ向から戒めたのだ。
王妃とはこの国に来た当初は、色々と衝突があった。とはいっても、専ら子ども過ぎた我が身が徒に王妃に対して反発していたに過ぎなかった。王妃はいつも泰然と微笑んで受け流していたのに、ある日、華嬪が超えてはならない一線を越えて―彼女が妓房で生まれ育ったことについて侮辱したために、王妃が初めて華嬪を真っ向から戒めたのだ。

