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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第32章 清浄華(しょうじょうか)
 それは王その人ですら、意識していない間の行為だった。王の顔がごく自然に華嬪に近づく。華嬪は少し愕いたかのように大きな瞳を見開いていた。

 そのまま王の唇が華嬪の珊瑚色の唇に重なろうとした時ー。
 一陣の強い風が二人の間を駆け抜けた。

 王がハッとしたような表情になり、想いを振り切るかのように緩く首を振った。

 二人の間で止まっていた時間が再び動き始めた瞬間だった。
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