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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第32章 清浄華(しょうじょうか)
 沈尚宮の涙混じりの声が続く。




「このようなことを申し上げるべきではないのかもしれませんが、姫さまは朝鮮においでになってからも、夜毎、殿舎の前に出て月の美しい晩にはじっと眺めておられました。清国の月を思い出していらっしゃったのかどうかは判りかねますれど、時には一人でひっそりとお泣きになっていたお姿が今も心に残ります」
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