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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第37章 訪問者
 丸薬の入った小さな巾着も小卓に乗せた。




「そういえば、まだ、そなたの名前を聞いていなかった」




 老人が言うので、セリョンは〝チョン・セリョン〟と本名を教えた。一瞬、偽名を使うべきかと考えたけれど、広い都では珍しくない名前だ。万が一にも王妃だという素性が知られる危険はないだろう。
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