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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第39章 二人の王者
「もし、おられますか」




 呼ばわれども、反応がない。少し待っても返答がないので、両開きの扉を開けると室はもぬけの殻だった。





 彼は酒を飲んでいる客がいる露台まで後戻りした。丁度、折良く、女将が追加の酒肴を持って忙しそうにやってくる。ふくよかな身体を揺すりながら歩いてくるのに、英宗は親しげに声を掛けた。
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