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第40章 紫苑の花の咲く頃に

　やがて、ムミョンが少し緊張した面持ちで口を開いた。





「僭越を承知で申し上げるなら、もう、宗主国だと、冊封国だと二国だけで上下関係を考えている場合ではないでしょう。我々を取り巻く世界の情勢は日々、目まぐるしく変化し、殊に西洋の文化の発達は無視できない脅威的なものです。狭い視野で物を見ていたのでは、いずれ我々両国とも西洋の国々に良いようにされてしまう危険がある」