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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第43章 六年の後

「そなたはそれを領相がやると申すのか」
ソクチェは小さく頷いた。
「あの方の今の権勢ならば、およそ叶わぬことはございますまい。領相大監の息子たちには何故か娘ばかり生まれ、長らく息子が授かりませんでした。やっと長男の側妾の一人が生んだ末子が男の子だとか。そのため、彼(か)の御仁は孫を溺愛して、可愛い孫息子のためなら、天の月さえ飛んでいって取ってくるのではと、これは口さがない者たちの陰口ですが。さりとて、その者たちが大監ご自身の口から、そのような話を仕入れたと私は聞きました」
ソクチェは小さく頷いた。
「あの方の今の権勢ならば、およそ叶わぬことはございますまい。領相大監の息子たちには何故か娘ばかり生まれ、長らく息子が授かりませんでした。やっと長男の側妾の一人が生んだ末子が男の子だとか。そのため、彼(か)の御仁は孫を溺愛して、可愛い孫息子のためなら、天の月さえ飛んでいって取ってくるのではと、これは口さがない者たちの陰口ですが。さりとて、その者たちが大監ご自身の口から、そのような話を仕入れたと私は聞きました」

