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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第44章 出生の秘密

「私が甘かった」
彼は最早、頬を流れる涙をぬぐおうともしなかった。
「妻の言うとおり、さっさとソファを屋敷から出して、別の場所に囲えば済む話でした。ソファなら子どものために辛くても納得して、屋敷を出ていったでしょう。それに長い目で見れば、妻と同じ部屋の下で暮らすよりもソファにとってもその方がはるかに良かったのです。けれど、私は融通がきかず、娘からソファを引き離すのは残酷だと考え、妻の言い分を聞き入れませんでした。妻は怒り狂って―」
彼は最早、頬を流れる涙をぬぐおうともしなかった。
「妻の言うとおり、さっさとソファを屋敷から出して、別の場所に囲えば済む話でした。ソファなら子どものために辛くても納得して、屋敷を出ていったでしょう。それに長い目で見れば、妻と同じ部屋の下で暮らすよりもソファにとってもその方がはるかに良かったのです。けれど、私は融通がきかず、娘からソファを引き離すのは残酷だと考え、妻の言い分を聞き入れませんでした。妻は怒り狂って―」

