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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第2章 謀~はかりごと~

セリョンの美しさに眼をつけた豪商が言った時、女将は真顔で言った。
―あたしが妓生だったからこそ、娘には同じ道は歩ませたくはないんですよ。ほら、〝春香伝〟の烈女春香だって、妓生の娘ですけど、両班の若さまの正室になって幸せになったじゃありませんか。妓生の宿命がどれだけ哀しいものか、旦那もご存じでしょう。女は好いた男に添うのが一番の幸せ、妓生は一夜に多くの男から男へと渡り歩くあだ花。あたしは可愛い娘には、そんな残酷な運命を与えたくない。
―あたしが妓生だったからこそ、娘には同じ道は歩ませたくはないんですよ。ほら、〝春香伝〟の烈女春香だって、妓生の娘ですけど、両班の若さまの正室になって幸せになったじゃありませんか。妓生の宿命がどれだけ哀しいものか、旦那もご存じでしょう。女は好いた男に添うのが一番の幸せ、妓生は一夜に多くの男から男へと渡り歩くあだ花。あたしは可愛い娘には、そんな残酷な運命を与えたくない。

