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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第45章 真実と涙

ムミョンの言葉に、セリョンが傷ついたような表情になった。
「あなたがそんなことを言うとは考えてもみなかったわ。ムミョン、あなたにはちゃんとご両親がいた。お父君は二代前の聡宗さまで、お母君は淑媛の位階を賜った、れっきとしたご側室だったのよね。虐げられたとはいえ、お母君亡き後は正妃の中殿さまの養子分として世子となった。そんなあなたに私の気持ちが判るかしら? 私は孤独だったあなたと違って、おっかさんがいた。おっかさんは実の娘のように私を可愛がってくれたし大切にしてくれたわ。それでも、私は心のどこかで自分の両親が本当はどこの誰なのか知りたいと願っていたの。それを言えば、おっかさんを苦しめるだけだから言えなかったけれど、自分がどこから来て何者なのかも知らないことは哀しかった」
「あなたがそんなことを言うとは考えてもみなかったわ。ムミョン、あなたにはちゃんとご両親がいた。お父君は二代前の聡宗さまで、お母君は淑媛の位階を賜った、れっきとしたご側室だったのよね。虐げられたとはいえ、お母君亡き後は正妃の中殿さまの養子分として世子となった。そんなあなたに私の気持ちが判るかしら? 私は孤独だったあなたと違って、おっかさんがいた。おっかさんは実の娘のように私を可愛がってくれたし大切にしてくれたわ。それでも、私は心のどこかで自分の両親が本当はどこの誰なのか知りたいと願っていたの。それを言えば、おっかさんを苦しめるだけだから言えなかったけれど、自分がどこから来て何者なのかも知らないことは哀しかった」

