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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第45章 真実と涙
 女官の紅い唇が引き上がり、笑みの形を象る。




「こんなところにいらっしゃったのですね。中殿さまが探していらっしゃいますよ?」




 嘘だと思った。紅順がいなくなってまださほど時間が経っていない。中宮殿に知らせがゆくには早すぎる。まずは尚宮たちは手分けをして紅順のゆきそうな心当たりを探し回っているに違いない。
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