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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第49章 雪の夜

後に若者は苦学の末、科挙に優秀な成績で合格し、官僚となった。礼曹の高官になった彼は
ー痩せ衰えたる赤児には頬寄せて涙し、脚の朽ちた老翁にはおん手ずから触れ、手当をなされたり。王后の背後に輝く光を見たる者は我ばかりのみにあらず、その場に居合わせた一同が王后を御仏のごとく伏し拝まん。件(くだん)の老爺、王后を伏し拝みて、〝あのお方こそ、まさに御仏が現世(うつしよ)に遣わしし観世音菩薩の化身なり〟と。
と、当時の様子を懐かしく日記で述懐している。
ー痩せ衰えたる赤児には頬寄せて涙し、脚の朽ちた老翁にはおん手ずから触れ、手当をなされたり。王后の背後に輝く光を見たる者は我ばかりのみにあらず、その場に居合わせた一同が王后を御仏のごとく伏し拝まん。件(くだん)の老爺、王后を伏し拝みて、〝あのお方こそ、まさに御仏が現世(うつしよ)に遣わしし観世音菩薩の化身なり〟と。
と、当時の様子を懐かしく日記で述懐している。

