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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第50章 迷い道
 セリョンの眼に熱い滴が湧いた。





「私がこんな話をあなたにしたいと思う? 結婚して十年も経つのに、私はまだ、あなたもこんなにも好き。好きな男が他の女の人を抱くのを見たいわけないでしょう。でもね、私の立場も少しは考えて。私がいつまでも懐妊できないことで、廷臣たちがどれだけ国の将来を案じているか、あなたも知らないわけはないわよね。正室に子ができなければ、正室自らが良人に側室を薦めるのは珍しいことではない、むしろ、本来のあるべき姿だわ。中殿として当然の務めを果たさないことで、とうとう和容公主さまも業を煮やして私のところにまで来たのよ」
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