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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第50章 迷い道

セリョンが涙をぬぐいながら言うと、ファオルは少し面映ゆげに言った。
「出過ぎたことを申しました。ですが、そのくらいの心意気でおられねば、後宮では到底生き残ることはおできになりませんでしょう。私は雲の上のことは何も存じませんが、妓房も似たようなところがあるでしょう。何しろ女たちの園ですもの。ましてや後宮は妓房のように大勢の男たちを相手にするのではなく、殿下お一人を巡ってたくさんの女たちが相争う場所ですわ。伏魔殿と呼ばれる後宮では、一度手にしたものはけして他人には渡さぬくらいの覚悟がなければ」
「出過ぎたことを申しました。ですが、そのくらいの心意気でおられねば、後宮では到底生き残ることはおできになりませんでしょう。私は雲の上のことは何も存じませんが、妓房も似たようなところがあるでしょう。何しろ女たちの園ですもの。ましてや後宮は妓房のように大勢の男たちを相手にするのではなく、殿下お一人を巡ってたくさんの女たちが相争う場所ですわ。伏魔殿と呼ばれる後宮では、一度手にしたものはけして他人には渡さぬくらいの覚悟がなければ」

