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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第52章 愛するということ
  愛するということ





 数日後の夕刻、色町が次第に活気づく刻限である。長い初夏の陽も傾き、西の空の端が茜色から菫色に変じる頃、ここ翠翠楼も妓生たちのどこか浮き立った声が響き渡っていた。彼女たちはそれぞれ鏡の前に座り、客を迎える支度に余念がない。
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