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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第57章 永訣の朝
 紅順は乳母の手を握りしめたまま、涙をはらはらと零した。乳母はこの期に及んでも、我が子には優しい言葉一つなく、養い君を守るようにと言い残しているのだ。





 心の底では二人の息子たちに告げたい科白は山ほどもあるだろうに、気に掛けるのは紅順のことばかりだ。
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