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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第57章 永訣の朝
 歳月は開いた指の隙間から零れ落ちる砂か、はたまた、人それぞれの上に降り積もる雪か。大切なひとを失っても、残された者は生きてゆかなければならない。たとえ、どれほど逢いたいと願う人に逢えずとも、それでも刻(とき)は規則正しく刻まれ、人生という河を流れる水のように時間だけは過ぎ去る。
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