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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第57章 永訣の朝
 あろうことか、紅順がぶつかった相手は陳仁賢、乳母の長男だった。



「お兄さま!」




 紅順は躊躇うことなく、仁賢の腕に飛び込んだ。懐かしい、本当に泣きたくなるほどの懐かしさが溢れた。ジュンス同様、仁賢にも乳母の葬儀以来、逢ってはいない。男女七歳にして席を同じうすべからず、と言われた時代だ。
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