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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第57章 永訣の朝
 二人はしばらく抱き合ったままだった。しかし、傍らを通り過ぎる中年の官吏の咳払いで、やっと我に返った。




 見れば、赤の官服を着た初老の男が非難がましい視線をチラリと寄越し、足早に通り過ぎてゆくところだった。
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