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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第57章 永訣の朝
 世情に疎い紅順は知らないが、陳家の二人の子息はそれぞれ別の意味で何かと噂になるらしい。




 紅順は迷った。このままジュンスがいなくなるのを待って、黙って帰ることもできた。しかし、それでは折角の桃が無駄になってしまう。いや、もう正直に言おう。この時、紅順はジュンスに逢いたかったのだ。ずっとずっと、逢いたいと思っていた男(ひと)だった。
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