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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第57章 永訣の朝
 でも、ほんの少しくらいはー紅順が彼に逢えて嬉しいと思うその欠片ほどは彼も嬉しい、懐かしいと感じてくれるのではないかと、どこかで期待していたのだ。




 すべては紅順の独り相撲だった。八歳の秋の日、一緒に過ごしたあのひとときを後生大切な想い出として抱えていたのは、紅順だけだった。
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