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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第58章 向日葵の姫君
 紅順は水晶の数珠を手にかけ、立ち上がっては座ってひれ伏す。五体投地を繰り返すのだ。その傍らで、柳尚宮も神妙な面持ちで女主人に倣った。




 祈りを捧げた後は老住職に挨拶し、ひとしきり話をしてから、金堂を出た。短い階(きざはし)を降りようとしていた時、対向から歩いてくる長身の人影が視界に入った。
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