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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第58章 向日葵の姫君
 紅順のすぐ後ろに立つ男がわずかに帽子を持ち上げた。今度は紅順が身を強ばらせる番だった。



「ージュンス」




 まるで吐息のような儚い呟きで口にした名は、紛うことなく紅順がずっと逢いたいと願っていた男の名だ。
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