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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第58章 向日葵の姫君
 彼は応えない。きっと自信がないのだろう。紅順は少し考え、言葉を選んだ。




「いつか木登りをしたことがあったわよね」




 そう、あれはいつだったか。陳家の庭の大樹に誰が一番早く登れるか競争したことがある。仁賢、ジュンス、紅順の順に登った。誰かが登っている間は、下に居る二人が声を揃えて数を数える。
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