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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第58章 向日葵の姫君
 あまりの破廉恥なふるまいに、紅くなるよりは蒼くなる。怒りに眼の前が紅く染まりそうだ。



「良い加減になさいませ」



 紅順は懐から小刀を取り出した。王族、両班家の子女は物心ついたときから、懐剣を持たされる。それは意に沿わぬ辱めを受けそうになったときは潔く自らの生命を絶って操を守れとの教えだ。
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