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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第58章 向日葵の姫君
 敢えてその場は娘を深く問い詰めることはせず、王は頷いた。




 父の心を知らず、紅順はその時、まったく別のことを考えていた。彼女の耳奥ではうるさいほどの蝉の声が聞こえ、瞼の向こうには鮮やかに夏の陽差しを浴びる無数の向日葵が咲いていた。
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