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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第58章 向日葵の姫君
 紅順にとって、両親は常に遠くにいて、尊敬すべき憧れの的だった。二人とも大好きだけれど、どこかで手の届かない人たちだと諦めにも似た気持ちでいた。




 その父や母とたまに親子水入らずで過ごす時間は、貴重なものだ。紅順は父母の前では、精一杯〝良い子〟でいようと王女らしくふるまった。そうすれば、二人が歓ぶからだ。
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