この作品は18歳未満閲覧禁止です
向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第59章 兄と弟
更にジュンスはほろ苦く笑った。
「奴婢を両親に持つ男にも、勉学で身を立てたいという志のある者はいるはずだ。なのに、奴婢として生まれたら、科挙どころか、学ぶことも許されない。裏腹に、俺のように両班として生まれても、勉学が苦手な者もいる。紅順、俺は幼い頃から、よく考えたよ。仮に自分が両班家ではなく、ごく普通の民として生まれていたらー。もっと別の人生があったんじゃないかと、叶いもしない夢のようなことばかりを思った」