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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第59章 兄と弟

紅順はチマの裾を持つ手に力を込めた。怒りのあまり、仁賢にとんでもない言葉をぶつけてしまいそうだった。
「あなたの、あなたたちのその傲慢さがジュンスを追い詰めたと何故、判らないの? ジュンスは出来損ないでも薄のろでもない! 科挙と出世しか頭にない、あなたの方がよほど薄っぺらい人間じゃないの。あなたは知っている? 子どもの頃、ジュンスがあなたと木登り競争している時、わざと手加減してあなたに勝ちを譲っていたのよ。ジュンスのことを何も知らない癖に、あの男(ひと)を悪く言うのは許さないわ」
「あなたの、あなたたちのその傲慢さがジュンスを追い詰めたと何故、判らないの? ジュンスは出来損ないでも薄のろでもない! 科挙と出世しか頭にない、あなたの方がよほど薄っぺらい人間じゃないの。あなたは知っている? 子どもの頃、ジュンスがあなたと木登り競争している時、わざと手加減してあなたに勝ちを譲っていたのよ。ジュンスのことを何も知らない癖に、あの男(ひと)を悪く言うのは許さないわ」

