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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第60章 葛藤
「殿下」



 ホン内官の声が扉越しに聞こえた。



「吏曹佐郎、陳仁賢が参っております」


 はて、聞き慣れない名前だと思いかけ、漸く面会を求めてきた者の素性に思い至る。



 陳仁賢といえば、愛娘の乳母を務めた朴尚宮の息子ではなかったか。
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