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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第7章 漆黒の夜桜
 セリョンの頬にもう一度優しく触れると、ファオルは淡い微笑を浮かべたまま階下へ降りてゆく。妓生は〝言葉を解する花〟とも呼ばれる。まさに、ファオルは咲き匂う大輪の花の風情があった。それはただ容姿の美しさのみならず、難しげな漢籍も読みこなし、政治や商売の話さえ時に対等に客とする―その知性からくるものだ。
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