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第64章 恋しくて

　国王の手前、粗略に扱う真似だけはできないが、跡取りを産ませさえすれば後は仁賢が紅順をどのように扱おうが、誰も口出しはできないのだ。




　紅順を妻としている限り、仁賢は生涯、国王の娘婿であり官吏として働く必要もなく、栄耀栄華ができる。紅順は彼にとって一生の安楽を保証してくれる宝のようなものだ。女として彼女に魅力を感じなくなったとしても、生かさず殺さず、上手く利用すれば良い。