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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第65章 切なさの向こう側
 包みは先刻、違い棚の奥から出してきたばかりである。紅順は風呂敷包みを解く。




 現れたのは蒼色の子ども靴だ。随分と古ぼけており、色も褪せている。それでも、紅順は恋人に触れるような手つきで蒼い靴を撫でた。傍らの腕輪は無残にも真っ二つに引きちぎられていた。
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