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第65章 切なさの向こう側

　果たして、彼の想いが自分と同じだけ深いかは判らない。今日、仁賢との婚約を破棄できる好機をふいにしてしまった。




　柳尚宮の言う通り、あれを逃せば、もう祝言まで後戻りはできないのは判っていた。だけど、あんなにも必死な眼をしたジュンスの望みを紅順は無下にはできなかったのだ。彼の家門と父を守りたいという願いを受け入れてあげたいと思った。