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第8章 潜入～後宮のおんなの哀しみ～

　気まずい沈黙が落ちて、セリョンはまた話を変えた。





「それから、こっちの本は推理小説なのよ。密室殺人を描いているの。烈しい雪の夜、金貸しの強欲な男が殺されたんだけど、犯人がどうやって密室に入ったか判らないの。読者はそれを謎解きしながら読み進めていって、最後には犯人が誰なのか、どうやって忍び込んで痕跡を残さずに出ていったのか判る仕掛けが凄いのよ」