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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第65章 切なさの向こう側
 紅順が宮殿にようよう辿り着いた頃、ジュンスは一人、居室で唇を噛んでいた。



ー不甲斐ない俺を許してくれ。




 熱い塊が胸につかえて、大声を上げて泣きたかった。だが、そんなことをすれば、訝しんだ兄が何か気づくだろうし、兄に勘づかれる愚は犯せない。
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