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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第8章 潜入~後宮のおんなの哀しみ~
 ところが、である。〝その待ち望んだ瞬間〟は、いつまでも訪れなかった。ニィーと小さな啼き声が聞こえ、セリョンは眼を開けた。



「あら」



 自分でも間の抜けた声が洩れた。



 見れば、足下に小さな白猫が鎮座ましましている。
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