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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第66章 旅立ち
「どういうこと?」
紅順は意味が判らず、柳尚宮を見た。
「王室にとって何が一番怖いか、それは醜聞(スキヤンダル)です。婚礼の日、邪魔立てをしたのが新郎の弟、その上、公主さまは騒動を引き起こした咎人を公衆の面前で身を挺して庇われた。当日、あの場にいた者たちは皆いまだに寄ると触ると、公主さまと弟君の仲を取り沙汰しておるそうです。もしや、公主さまと弟君は婚礼の前から不義を働いていたのではないかと申す者までいるとか」