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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第66章 旅立ち
「私がまだ父上さまを王族だと知る前、町の露店で買って下さったものよ」



 だから、母が大切にしていたのだと今更ながらに納得できた。紅順は首を振る。




「こんな大切なものを頂くわけにはゆきません。母上さまにとっては宝物なのでしょう?」
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