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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第66章 旅立ち
 毎朝、ここを訪れる人々の眼を愉しませてくれた蓮の季節もそろそろ終わりに差し掛かっていた。




 時折、水面を吹き渡る風が清涼感を与えてくれる。王妃の腕には絹のおくるみに包まれた赤児が眠っていた。まだ漸く生後ひと月を過ぎたばかりといったところである。
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