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燿子〜追憶のLesson〜
第5章 Episode 4
サトシ君と私の接近遭遇、何秒続いたのかしら。

こういう時ってとっても時間が長く感じられるのよね。
なんでかしら。
不思議よね。

静寂な時が流れたわ。

その静寂を打ち破るように、

「せん せい の  香、  とっても 好き  です・・・」

たどたどしくもはっきりと、サトシ君はそう言ったの。

耳のそばでそんなこと囁かれて、嬉しくない女性っているのかしら?
いないわよね。

お互いの表情が見れないことが却って都合の良いときもあるわ。

この時の私は、言葉だけでサトシ君を理解していた。

もしサトシ君の顔を見てたら、見られながら「先生の香・・・」なんて言われたら、むしろ恥ずかしくて、照れちゃってたと思う。

言葉だけの中にサトシ君が居たのよ。
そのほうがありがたかったわ。
少なくともその時はね。
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