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燿子〜追憶のLesson〜
第7章 Episode 6
それからサトシ君とはいろんなこと話すようになったの。

私もサトシ君のことをどんどん知っていった。

彼は一人っ子で、親や親戚の期待を一身に背負って将来は有名大学に入ることを夢見ていた。

実際、そのつもりで頑張ってたけど、周りの人の敷いたレールに乗っかって生きていくことに少しずつ疑問が湧いてきて。。。

周りから良い子良い子して褒められてチヤホヤされるのも耐えられ無くなって。。。

いわゆる「自我の目覚め」よね。

「音楽なんかにうつつを抜かす暇があったら勉強しなさい」って言われることもあったんだって。

音楽「なんか」って酷い話よね。やっぱり音楽ってそう思われてるのよね。

寂しいけど現実。

そんな中でサトシ君は音楽に次第にのめり込んで行ったらしい。

ピアノを始めたり、色んな音楽を聴いたり。

特にクラシック音楽は知識は豊富で私なんかより遥かに詳しい。

そんなサトシ君を応援したい、そんな気持ちからサトシ君と関わったの。

最初はそんな純粋な気持ちだったわ。

それがあの日を境に「応援」が「情」へと変わっていったの。

変わっていったのではなくて、そちらの道を私が選択したの。

自分の意思で。


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